島猫が少年時代、ギターキッズだった事は以前書いた。
その時代は学校でエレキギターを弾くと、不良扱いだった。
まあ島猫は、違う意味でも不良品だったから、
なんと呼ばれても気にならなかったし、
ギターが弾ければ幸せだった。
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実はそんな島猫の青年時代の姿が写っているDVDがあるのだ。
ほんの一瞬だけど、確実に映っている。
1980-09-18に島猫はここにいたのです。
「PANTA&HAL」でAmazonで検索すれば見つかります。
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そう、10代の島猫は、このPANTAに強烈なROCK魂を
叩き込まれたのです。
ROCKは魂の叫びだって教えられたのです。
音楽に順位なんかないけれど、島猫にとってPANTAと
David Bowieは別格なんです。
みなさん、PANTAなんて知らないでしょう?
頭脳警察って言ったほうがわかるかな。
もしPANTAを知っていたら、島猫と同じくCRAZY ROCKERだね。
嬉しいよ。
商業的には全く無名なPANTAのLIVEを見れたのは、
後にも先にも、これが最初で最後。興奮した。
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PANTAの曲に興味があれば、Amazon prime musicで
聞いてみて下さい。
特に「1980X」「TKO NIGHT LIGHT」はお気に入り。
「1980X」は38年を経て「かつて音楽で社会の危機を警告する者がいた」
ことを証明する名作。
そして最高作「クリスタルナハト」
ユダヤ人大量虐殺を歌える人間が、日本にPANTA以外いるだろうか。
ROCKERがいただろうか。
そして現在において、「私はイスラエル支持者ではない。
パレスチナ弾圧は現代のジェノサイド」と言い切るROCKERが
いるだろうか。
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さて、ちょっとROCKな音楽の話をしよう。
島猫が聞く音楽は、ロック、クラシック、フラメンコ、メタル、
ハードフュージョン、等の形式美がある音楽です。
ジャズは少年時代に聞いた、気違いじみたフリー・ジャズが
トラウマになって避けています。
もちろんインストゥルメンタルも聞くけど、半分以上は歌付きの音楽。
ベースにあるのは少年時代から聞いているROCKな音楽。
そして少年時代に求めていたのは、欧米のコピー品ではなく、
日本人による日本語のROCK。
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だから、音楽にとって作詞は重要な位置を占めると思っています。
その意味でPANTAの詩は、島猫にとって最高なご馳走です。
PANTAは島猫にとって、既存概念の破壊者であり、
同時に賢者なんです。
もう腰骨が砕けそうになる程の、ROCKな詩なんですよ。
これはDavid Bowieも同じ。
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基本的にROCKは常に反抗するものだ。
既存概念を破壊する音楽だ。
「I wanna rock and roll all night and party every day」
なんて能天気に歌ってる場合じゃあない。
PANTAは日本人で、「社会」「政治」などを歌える数少ない人だ。
日本人が誰も歌っていない歌を歌える稀有な存在。
日本人のROCKSTARって、「社会」「政治」を避けるでしょう?
勇気がないよね。
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社会に対する批判ができないROCKSTARなんて、存在意味がない。
そんなやつは、名前入りのタオルでも売っているがいい。
体制の批判より、売上が大切すぎて、日本人のROCKSTARって、
金儲けは上手いけど、ホント屑だと思う。
その中で、忌野清志郎は数少ない本物だったよ。
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あれ?話が暴走している。まあいいや。
要するにROCKをやってる人は、綺麗事だけではなく
現実を歌えって事だ。強いメッセージを発信しろという事だ。
PANTAはパンクロックが存在しない時代から
パンキッシュな音楽を表現し続けてきた。
しかし世間的な評価は低い。
それはなぜか?
それは、歌詞の切れ味が良すぎるからだ。
日本人にはメッセージ性が強すぎるのだ。
上っ面のラブソングを歌うミュージシャン程度なら
瞬殺されるレベルの歌詞だ。
甘ったれた音楽に飽きた人は、ぜひ聴いて下さい。
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島猫にとっては、アートの本質を教えてくれたエネルギー体達。
どこまでも走れと檄を飛ばしてくれた存在達。
既製のモノを破壊しろと警告してくれた存在達。
音楽に溺れそうになったときに、他の分野も学べと教えてくれた存在達。
刺激的な奴らだ。
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PANTAの詩を一つ紹介しよう。1980年作だ。
この時点で、目的のない暴力、ストーカー(なんて言葉はまだなかった)、
逆切れ、白昼の無差別殺人など、荒廃していく人間を予言している。
ナイフ
ただその笑い方だけ 気にさわっただけさ
だから目の前にナイフ ちらつかせただけさ
それなのに本気になるから
あまり俺を 悲しませるなよ
ただおまえの横顔が まぶしかっただけさ
だからいたずら気分で からかってただけさ
それなのに本気になるから
あまり俺を悲しませるなよ
アメ横でやっと手に入れた
気に入りのナイフが
狂った手元をはじき返す午後の街角
排ガスまみれのグリーンベルトに
投げ捨てられたナイフ
投げ捨てられたナイフ
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