1月10日がデビッド・ボウイの命日。
デビッド・ボウイが永眠してから2年たちますが、
最近、日々、デビッド・ボウイのエネルギーを身に感じます。
まるで目の前に存在しているかのようなエネルギーの塊。
なぜだろう?不思議だ。
そのエネルギーは心地よいのだが、強さと弱さが
コインの裏表のように同居している。
今にして思えば、ボウイは常に先の先の先にいて、
少年だった島猫はボウイを捕捉できなかった。
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しかしボウイの死によって、
ようやくボウイを捉えた感覚。その充実感。そして悲しみ。
涙が止まらない。
島猫にとってはアートを教えてくれたエネルギー体。
どこまでも走れと檄を飛ばされた存在。
既製のモノを破壊しろと警告してくれた存在。
音楽に溺れそうになったときに、他の分野も学べと教えてくれた存在。
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David Bowie – Rock 'N' Roll Suicide (Live, 1973)
ボウイで一番好きなアルバムを上げろと言われたら、熟考して
「ジギー・スターダスト」と言うだろう。もちろん他にも素晴らしい
アルバムがあるが、「ジギー・スターダスト」に収録されている
「ロックンロールの自殺者」が好きなのだ。
「君は独りじゃない、差し伸べたこの手を握ってくれ」というフレーズに
若い頃の傷が疼く。心がざわつく。
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デビッド・ボウイのエピソードを1つ紹介しよう。
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マークボランと黒人女性グロリアジョーンズとの間に男児がいたが、
グロリアはボランと籍を入れていなかったため、ボランの死後、
母子はボランの遺族からしめだされ、渡米したが金銭の苦労をした。
ボウイがこの二人に生活費を援助していた。
ボランの男児が成長して、「自分の父がボランだなんて、
大人になるまで知らなかった。
なぜ血縁関係もない自分たちをあなたは助けたんですか?」と
ボウイに尋ねたら、
「長年友人だった人の家族が困っていたら、助けるのは当たり前。」
とボウイが答えた。
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そう、人間は身近で困っている人に、手を差し出す行為が
できるのだ。そしてそれを愛と呼ぶ。
愛は欲しがるものではなく、与えるものなのだ。
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追記
「Never Let Me Go・私を離さないで」という映画を見た。
内容は書かない。見て欲しい。
決して楽しい映画ではないけれど、見ておくべき映画だ。
若いうちに見ておくべきだろう。
世の中、娯楽映画ばかりが映画ではない事を知るのは大切だ。
「Never Let Me Go・私を離さないで」は、イギリスの
どんよりした気候のように、心の中にある種の倦怠感を植え付ける。
しかし、それは貴重な体験だ。
自己犠牲というよりは、生命そのものを扱う映画だ。
見なければ理解できない奥深い映画だ。
しかし、生命、それさえも消費してしまう僕達の生は
罪深いのかもしれない、と感じてしまった。
そして、それだからこそ、生命という季節を
大切に過ごさなくてはいけないと強く思った。
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